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下町深川の禅寺 陽岳寺からのお知らせのブログです

いいお坊さんひどいお坊さん 勝桂子

新書なのでさらっと読めます。

いいお坊さん ひどいお坊さん (ベスト新書)

いいお坊さん ひどいお坊さん (ベスト新書)


【本の概要】
タイトルからして、こりゃー・・フツーの人にも、お坊さんにも問いを投げかけているなと思い。また、帯で惹きつけてきます。
なぜ、お布施は「お気持ち」なのか?


以下、アマゾンの内容紹介。

死んだときだけが、お寺の出番ではありません。 この生きづらさを乗り越えるための寺院・僧侶 との正しい付き合い方を探る。

通夜葬儀の要不要、東日本大震災以後の活動、そしてお坊さん論まで!


お布施問題から読者をつかみ、「葬儀とカネ」「お坊さんとしての姿(イメージ)」へと発展していきます。この本の最後に参考文献が挙がっているわけですが、つまりこの本、お坊さん論への「ごっちゃ煮」です。(お父さん、「葬式はいらない」って言わないで (小学館101新書)葬式は、要らない (幻冬舎新書)みんなの寺の作り方―檀家ゼロからでもお寺ができた!お墓博士のお墓と葬儀のお金の話 (光文社新書)葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書)
そして、ごっちゃ煮を経て、読者へと宗教との関わり合いについて、考えてほしいと投げかけます。
もちろん参考文献だけではなく、著者が足をつかって話しを聞いた内容も出てきます。そこから法人側&世間の真ん中の立場で、双方に出来たことは?出来ることは?と論じています。

目次
はじめに―経済と悟りの中道
第1章 「お気持ち」とはいくらなのか?
第2章 庶民がナットクできるお寺とは?
第3章 3・11後に変わる寺
第4章 修行と俗世のリアリティ
第5章 僧侶でなければできないこと
おわりに―お坊さんと話してみよう

感想

タイトルに『いいお坊さんひどいお坊さん』とあるように、本書は『いいお坊さんひどいお坊さん』の姿を紹介しています。

そして、『いいお坊さんひどいお坊さん』の姿を見せつけられた人々の感想へとうつっていきます。それが上記目次にある各章のタイトルです。

『いいお坊さんひどいお坊さん』それぞれの僧侶の内情、それぞれの僧侶を見た人々の内情、はては仏教界・葬儀業界の内情まで。

本書は、お坊さん論へのごっちゃ煮と言いましたが、いろんな要素をブチ込んで、お腹いっぱい!ということもありません。もちろん要素を抑えてあるのですが、重くもなく、新書ですし読みやすいです。「分かりやすい」という意味でも良い感じ。


帯に書いてある、なぜ、お布施は「お気持ち」なのか?
モノとカネの神に振りまわされているのではなく(たとえば、インターネットで相場を調べる・目安料金があったから)、噂なんかふっとばし、自分の「お気持ち」を、自分の責任で推し量ってみようよと。そのためには、前提として寺づきあいが必要だし、考える力も必要になるよね。宗教って、誰かから猛烈に勧められて入信するものじゃないよね、自分から求めるものだよね。そうすれば、自然と宗教側も淘汰されていくよね。と。
フツーの人にも、お坊さんにも、するどく問いを投げかける1冊です!

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