web版 陽岳寺護寺会便り

下町深川の禅寺 陽岳寺からのお知らせのブログです

笑顔の効用-神妙な面持ちをしていなければ不謹慎なのか

2011-03-11の午後より、連日テレビでは神妙な面持ちをしている人間が出ている。週明けの14日前後からは、通常の番組内で地震特集が行われている。けっきょく放送されている内容は、ほぼ変わらない。再編集されたもの、被災者のインタビューが加わったものなど。
私は言いたい。テレビでは、もっと笑顔を振りまいてほしい。

神妙な面持ちをしていなければ不謹慎なのか

とりあえず放送できること。津波が家、車や畑を飲み込んでいく映像。原発の映像。呆然としている人たちの映像。被災地は、いまこんなに悲惨な状況なのだ・・ということを繰り返して放送している。
しかし本当にテレビの前、ラジオの前にいる人間が必要としている情報は、悲惨な現在状況「だけ」ではない。「とりあえず」放送できることは被災地の光景、地震の構造、原発施設の構造の説明。でも、それだけでは情報としては足りないし、むしろその先が重要なこと。「だけ」ではない「とにかく」必要なことを放送してほしい。被災地に向けて、そんなに被害のない南関東に向けて、まったく影響のない各地に向けて。
どこ市・どこ村で何人孤立しているか、原発の避難区域。被災地は物資として何が足りないか、停電・インフラの状況、個人名での安否、どこで飲料水・物資を配布しているか、スーパーやガソリンスタンドなどの営業状況、など。
悲惨な状況や、神妙な面持ちの人間ばかりの放送では、みんなうんざりだろう。放送局は視聴者が不安になりたい、心配したい、落ち込みたいとでも思っているのだろうか。実際、日本に住む人々は、強い人間ばかりではないのだろうが、こうも連日連夜ひどいんだひどいんだとテレビやラジオから情報をすり込まされると、うんざりしてくる。みんな無縁社会などネガティブキャンペーン好きな面はもうお腹いっぱいなはず。神妙な面持ちをしていなければ不謹慎だ、と暗に臭わすテレビやラジオや新聞。
と思ったら、同じようなことを考えている人がいたし、こんなことが起きているのかと知った。
不謹慎・自粛ムードに関する反論 - 松本孝行(松本孝行) - BLOGOS(ブロゴス)
地震関係以外のつぶやきは不謹慎なの? : 松本孝行(@outroad)のTwitterまとめ
地震で無事だった我々が出来る最大のこと | おごちゃんの雑文
横行する「不謹慎狩り」と、不謹慎disを更にdisする人達が現れるまで - Togetter
不謹慎 - Togetter
そして、私や母親にもきたチェーンメールについても、こんな記事。
東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ - 荻上式BLOG
東北地方太平洋沖地震(東日本巨大地震)、ネット上でのデマまとめ その2 - 荻上式BLOG
みな不安なのだろう。この一言につきる。
自分は大丈夫、普通の精神状態、ちゃんと判断できている。・・・通常では起きないことが起きているのだから、みな不安になるのは当たり前だろう。

笑顔の効用-いまこそ布施行

急に仏教用語が出てきて、アヤシイカンジに思われるかもしれません。が、もうすこしお付き合い下さい。


「布施行」。六波羅蜜のひとつ、布施波羅蜜。
お布施とは、皆さんひとりひとりに施しという善い行い、徳を積んでいただくことです。功徳を積んでいただく。そして、その功徳とは、人によろこんでもらう喜び、です。
お布施というと、イメージとして金銭の寄付があるかと思いますが、なにも持っていなくても出来るお布施もあります。お仏壇にご飯やお水をお供えしたり、感謝の気持ちを言葉で伝えたり、電車・バスで席を譲ったり。
物を差し上げる施しではなく、何も無くても普段の生活において出来る施しならば、誰でも簡単に幸せになれると思います。それが無財の七施です。

無財の七施とは編集

眼施和顔施愛語施身施・心施

優しい眼差し、人に対して笑顔で優しく接する、愛のある思いやりのある言葉を与える、自らの体を使って奉仕する、思いやりを持って心を込めて接する。
無財の七施のうち、自分の身体ひとつで出来る施しを上に挙げました。


テレビ・ラジオは神妙な面持ちしているばかりではなくて、眼施和顔施愛語施身施・心施をしてほしい。不安や心配を振りまいていないで。
テレビ・ラジオがこんなんならば、我々ひとりひとりが、笑顔や優しい言葉を繰り返すしかないのでしょう。笑顔の効用は、きっと皆を幸せにする。

はてなポイントによる「東北地方太平洋沖地震義援金」など

各銀行や企業など義援金募集しているようです。はてなでも、はてなポイントでの義援金募集をしているようです。

Smile for Japan - 笑顔を日本に プロジェクト
pray for japan 東北太平洋沖地震、海外からの応援メッセージ集 prayforjapan.jp
自分たちにできることは、普通の生活を行うことなのでしょう。無理に被災地へ行って、無理にボランティアを行うのではなく、出来る範囲での、無理の無い生活が大切なのでしょう。