web版 陽岳寺護寺会便り

下町深川の禅寺 陽岳寺からのお知らせのブログです

深い河 遠藤周作

妻のすすめで読みました。
彼女は、私が修行道場にいる間に読み、僧侶となろう私にも読んだ方がいいんじゃないかと思っていた、とのこと。

深い河 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)

感想を一言で表すのなら、重かった。しかし、その重みが心地よかったです。
職業柄、本を読んでいても、テレビドラマを見ていても、重い部分へと目が行きます。
勧善懲悪で爆発ドーン!なハリウッド映画だとしても、キャラクターの暗い過去へと目がいき。ニュースで事故があったなら、どんな理由があったのかと考え。
考えあぐねても仕方ないのでしょうけども、ずっとあぐねる状態にいるわけではないので生きていられるのですが(忘れるとは素晴らしい)。
深い河は重いです。そうかー・・と、こころ・胸に重い話。


わたしは、国語の成績が抜群に悪かったです。高校生のとき、現代文のテストで0点を取るほど(漢字も、選択問題も、全部間違えることの方が難しい??)。
とくに小説なんか全く分からなくて・・・この主人公の心情はどうか述べよ、なんて設問があったら、もう・・・。
そんなわけで小説全般から遠ざかっていた20数年の人生での、この本との出会い。


著者の遠藤周作氏についてウィキペディアなどで調べてみましたが、ある宗教色の影響が色濃いように見えます。
彼の宗教多元的な考え方にはとても共感できるので、ずりずりと読み続け、受け入れることができました。登場人物や人生を、過去の人物や人生になぞらえていることは読んでいれば、そうだろうなと。
キリスト教だとか、仏教だとか、宗教ってなんなのと(漠然とした)問いを持つ方、とてもおすすめです。これも一つの持ち方だと。
遠藤周作 - Wikipedia

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