web版 陽岳寺護寺会便り

下町深川の禅寺 陽岳寺からのお知らせのブログです

平成23年度春季学生大攝心 於 円覚寺居士林

2011/03/04(金)〜06(日)円覚寺居士林にて、平成23年度春季学生大攝心が行われました。今攝心も、円覚寺管長青松老大師をお迎えしての開催でございました。
臨済宗大本山 円覚寺 | 坐禅会のご案内
未熟者、今攝心で侍者寮を務めました。至らぬ点多々あったかと存じます。無事円成できましたのも参加者の方々御自身のお力です。

居士林主事様のブログでも、今回の学生大攝心について記事がアップされています。
円覚寺・居士林だより 学生大攝心 提唱

学生大攝心の様子をご紹介

会中、お写真を撮らせていただきました。ご紹介します。会場は、円覚寺居士林です。

玄関と告報


玄関には、下駄と草履が並んでいます。時を知らせる板、開板が吊ってあります。
『生死事大 無常迅速 時不待人 慎勿放逸』
今攝心の御提唱は無門関でした。僧堂の宿龍殿にて拝聴しました。

粥座の風景

外の白んでいく頃、朝ごはんをいただきます。メニューはお粥、たくあん、梅干し1個です。たくあんは僧堂で漬けている浅漬で、梅干しも僧堂で雲水が毎日食べている自作のものです。
暗いなか起きてから数時間の坐禅。すっと体にしみるお粥です。

齋座の風景(と薬石について)

お昼ごはんの様子です。食事をいただく前の読経中。堂外で飯台看(ご飯などを配る係)が待機しています。メニューは押麦ご飯、具だくさん味噌汁、切り干し大根、たくあんです。
僧堂と同じく、白米と押麦の混ざったご飯をいただきます。具だくさん味噌汁は、朝から典座が煮込んだものです。材料は、大根、にんじん、じゃがいも、たまねぎ、キャベツ、わかめ、油揚げ、もめん豆腐。何時間もグツグツと煮込むと独特の味がします!典座は、お粥と平行して作っていきます。材料のきざみや掃除を、居士・禅子さんにも手伝っていただきました。

薬石(夕ご飯)のメニューは、ぞうすい、たくあんです。お昼ごはんの麦飯と、具だくさん味噌汁を雑炊にしたものです。切り干し大根も入っていたかもしれませんね。その日の食事の用意は、その日に食べきってしまいます。

典座(居士林のかまど)の風景


写真にあります青い作務着の雲水が典座を務めました。彼一人で、参加者全員分の朝昼晩すべてのご飯を用意します。今回の参加者は約40名。
円覚寺僧堂は薪でご飯を炊きます。お湯を沸かします。お味噌汁もつくりますし、うどんもゆがきます。居士林も然り。お湯やお粥、心なしか鉄分を摂取しているような??
さて、お味はいかがでしたでしょうか?
味とともに大切なのが、量です。量が多ければ余ってしまい無駄になりますし、少なければ足りなくなってしまいます。次の日に持ち越すことはしないので、最終的に夕ご飯で食べきれる量に毎食調整することも典座の大切な仕事です。

茶礼の風景

円覚寺塔頭であります龍隠庵様、黄梅院様より茶媒のご供養をいただきました。私も、典座も、龍隠庵徒弟さまと一緒にご用意しましたよ?茶礼の時間に、みなで頂きました。ありがとうございます!ごちそうさまでした!

また、坐相説明、作務なども。ヨガスタジオのメディテーションクラスとは違った構成であります。あ、でもそんなに期待しないでください??

最後に

最後に、運営側でもなんでもない私ですが、関係者にお礼を申し上げます。円覚寺管長横田南嶺老大師、御垂示、御提唱、誠にありがとうございました。運営に携わっております教学部長様、居士林主事様、ありがとうございました。また、実際に世話をしていた修行道場の雲水。総まとめ役の知客寮さん、庵原平四郎のお話など坐禅指導をされた直日さん、お世話係の侍者さん二人。ご飯係の典座さん。みんなお疲れ様でした。私も楽しかったです。


学生大攝心の会の最後、感想を述べていただいております。僧堂の知客寮代行が申しておりましたが、雲水にとって、この学生大攝心は大変修行の励みになるものであります。参加者の真摯な姿には心を打たれます。お世話になった円覚寺への恩返しもありますが、2泊3日を通して見られる居士・禅子さんの姿を思い出すと、学生攝心のお手伝いに導かれるのです。