web版 陽岳寺護寺会便り

下町深川の禅寺 陽岳寺からのお知らせのブログです

【コラム】しつけ

【コラム】しつけ

成長の早い遅いはあるものの、はやく子どもと意思の疎通を取りたいものだと思ってしまうものです。ことばや動作を真似るようになり、こちらが「おいで」と手を広げれば近づいてくるようにもなりました。日々、彼の成長を感じています。
しつけの問題。先日、いけないことはいけないのだ、とマジメな顔で言い聞かせることがありました。今までの彼は理解もできませんから笑って過ごしていましたが、この前のことです、泣いてしまいました。
なぜ泣いたのか。彼自身怒られたと理解したから、というわけではないと思います。いつもと違うこわい親の顔のせいか、雰囲気のせいか。
怒る(感情にまかせて意見を押しつける)と叱る(理性的に説き伝える)には違いがあるといいますが、子どもにとっても、親にとっても、試練です。
子どもにとっての試練とは、自立に必要な力のために、よく遊び、よく学ぶこと。
親にとっての試練とは、子どもを自分の満足をみたすための道具としないよう気をつけること。
叱られても大丈夫だ、と信頼できる大人との関係性をしっかり育むためには、乳児期が肝心だそうです。これから大きくなって、積極的・自主的に興味をもったものへ取り組み、より挑戦できるよう学びを重ねていく。子育てはなるようになるとしても、成人への道のりはまだまだ。そんな遠い道のりも、信頼できる大人として、ぶれない行動をし続けることが一歩一歩となるはずと信じ、親業を続けていこうと思います。

【コラム】元気でいる

【コラム】元気でいる

子どもが生まれて早1年2ヶ月。足取りがおぼつかないながらもヨチヨチ歩きをしております。
そのまま順当に、病気もなく、元気に育ってほしい・・・とは親の思いです。そして子どもとしては、死ぬまで元気なままでいたいものだ、と親の想いを自分の想いとして引き継ぐこととなるようです。
元気でいる。その元気でいる、とはどのような状態でしょうか。強靱な肉体を持ち、転ぶこともなく、頭の回転はすさまじい・・・まではいかないものの、普通の体力と知力のある状態でしょうか。
仏教のはじまりをつくった人、お釈迦様。彼は、生老病死という人生の流れのなかに苦しみと救いを見いだしました。人が生まれ、老い、病み、倒れることは不変の事実であります。誰にも避けられない生老病死の流れのなかで、いつか病み倒れるならば、元気でいることそのものではなく、目的あってこその「元気でいる」ことが大切なのかもしれません。
元気でいることの意味は目的にある。仕事に家庭にと忙しくする。充実した人生を送る。そして、最後まで一人元気でいることも、立派な目的でありましょう。ただし、やはり諸行無常でありますから、どうしても元気がないこともあるはずです。元気でなければならない、と執着していると、苦しみも大きくなりそうです。
でも大丈夫。元気がなくてもいい。老い、病み、倒れることを、その姿そのもので具体的に見せてくれたならば、十分にひとりの人間としての役割を果たしてくれたことになる。これこそが、お釈迦様の気づいた生老病死という四つの苦しみから、見いだされた救いでありましょう。
流れにあらがうことが出来るのも人間です。と同時に、流れに合わせて姿を変えることが出来るのも人間です。
来る十一月二十七日(日)は陽岳寺の年中行事のひとつ、ご祈祷と演芸会です。本年への感謝と来年の無事とご多幸をご祈祷いたします。自分たちだけは・・・と思ってしまうものを、みな元気でいたいものだとお祈りいたします。どうぞご参加ください。

平成28年10月号 花園&陽岳寺護寺会便り、発送しました


平成28年10月号花園&陽岳寺護寺会便りを発送しました。郵便局の集荷の方に引き渡し、お願いしました。
今回は副住職作です。


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【告知】禅~心をかたちに~

  • 期間:平成28年10月18日(火)~11月27日(日)
  • 場所:東京国立博物館 平成館

zen.exhn.jp
陽岳寺臨済宗という宗派に属するお寺です。臨済宗臨済とは、臨済義玄というお坊さんから取られています。今年は、宗祖 臨済禅師が亡くなられて1150年目であります。そして来年は、鎌倉時代から続く臨済宗を江戸時代に復興させた白隠慧鶴禅師が亡くなられて250年。このふたつの節目を記念し、上野の国立博物館にて展覧会が行われます。
禅にまつわる国宝と重要文化財が日本中から集結。11月7日の休館日を境に展示替えもありますので、2度楽しむことが出来ます。
さらに、期間中に催されるイベント(講演会、尺八コンサート、お坊さんによる四ツ頭茶会という儀式の再現、辻説法や写経など)も。どうぞ足をお運びください。
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